武田倫子 | Michiko Takeda

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2014年 5月

岩井希久子さん

2014年5月25日

先日、とあるご縁で絵画保存修復師の岩井希久子さんのトークショーに六本木アカデミーヒルズへ行ってきた。以前TVで拝見したことがあり、こんな人が日本にいるんだ!と驚いた覚えがある。
朝日新聞グローブは、いつも私が休日のささやかな楽しみにしてあるもので、岩井さんの特集された記事(突破する力)は読者からの人気が高かったとか。

私にとって、絵画修復を知ったきっかけは高校3年の頃予備校で筑波大の学生Oさんが芸大院の修復を受けるとかで、絵を習いに来ていたことからだ。そのOさんの描く絵は、本当に誠実な油絵で「こんなに上手に描けるんだ!絶対芸大受かるでしょ♪」と思っていた。実際に見事合格していたが、彼女はいつも穏やかで謙虚で人間的にも素敵な人だった。
二回目は、初個展をしたときだった。私の作品をある人に買っていただいたのだが、郵送した際梱包材が、弱かったのか、画面に小さな傷が入ってしまい画廊を通して修復を頼むというものだった。そのとき、これから先何十年何百年と残る作品を作るのであれば、作家として作品には責任を持たなければ、と思った。
岩井さんがおっしゃるには、修復師に最も必要な資質は謙虚さだと。改めて認識したのは、修復は加筆すのではなく、汚れを洗い落とすのが大半なのだとか。大変に神経のいる仕事だろう。ゴッホのひまわりも、手掛けたというのだから。
岩井さんが危惧されていたのは、まだ日本には修復家は四人しかいないのだとか、また、養成する機関も少ないらしい。これからも、産み出される作品支えるたち。岩井んとお会いして、大変だけど、素晴らしい職業だと思った。もっと、多く人にこの現状に気づいてほしい!